2026年9月16日、公益財団法人ミダス財団が事務局を務める「子どもの体験コンソーシアム」の第3回勉強会をオンラインで開催しました。
「体験が育むレジリエンス~ACEsとPCEsの視点から考える~」をテーマに、講義とパネルディスカッションを通じて、子ども・若者のレジリエンスを支える体験や関係性について学びを深めました。
子どもの体験コンソーシアム第3回勉強会
「体験が育むレジリエンス~ACEsとPCEsの視点から考える~」
| 日時 | 2026年9月16日(水)10:00~11:30 |
|---|---|
| 形式 | オンライン開催 |
| 対象 | 子どもの体験コンソーシアムの会員団体・個人 |
| 内容 | 1.講義「子ども時代の体験の将来への影響―肯定的体験を中心に―」 山口 有紗 氏(児童精神科医、小児科専門医・子どものこころ専門医、公衆衛生学修士) 2.パネルディスカッション モデレーター:工藤 啓 氏(認定NPO法人育て上げネット 理事長) パネリスト:金城 隆一 氏(NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい 代表理事) 藤野 荘子 氏(NPO法人あいむ 代表理事) 平井 登威 氏(NPO法人CoCoTELI 理事長) |
ACEsとPCEsから考える子どもの育ち
前半は、児童精神科医、小児科専門医・子どものこころ専門医の山口有紗氏より、子ども時代の体験が将来に与える影響についてご講義いただきました。

ACEs(Adverse Childhood Experiences)とは、虐待やネグレクト、家庭機能の困難など、子ども時代に経験する逆境を指します。一方、PCEs(Positive Childhood Experiences)とは、家庭、学校、友人、地域などの中で経験する、安全で、支援的で、あたたかな関係性や環境を指します。
講義では、子ども時代が脳の発達において重要な時期であることや、安全で安定したあたたかい関係性が、子どものウェルビーイングの土台となることが紹介されました。また、周囲の人との肯定的なつながりや安心できる居場所などのPCEsが、心身の健やかな発達を支え、ACEsの影響を和らげる可能性についても解説いただきました。
子どもを取り巻くさまざまな環境において、逆境となる経験を減らすとともに、肯定的な体験を増やしていくことの重要性を学ぶ機会となりました。
現場から見えたPCEs―「つながること」と「真剣に関わること」
後半は、困難や孤立を抱える子ども・若者への支援に取り組む実践者によるパネルディスカッションを行いました。

ACEsとPCEsを現場でどのように捉えているか、逆境となる経験を減らす支援と肯定的な体験を増やす支援をどのように組み合わせているかなどについて、具体的な実践を交えた意見が共有されました。
特に共通して語られたのが、肯定的な体験や新たな挑戦の前に、子ども・若者と「つながること」の重要性です。
アウトリーチやオンラインでの活動など、それぞれに合った方法で接点をつくり、関係を切らさないこと。まずは信頼関係を築き、安心できる人や場所があるという感覚を育むこと。その土台があって初めて、子ども・若者が次の一歩を踏み出せることが共有されました。
また、「真剣に関わる大人の存在」についても議論が広がりました。子ども・若者の話を真剣に聴き、本人が大切にしているものをともに大切にすることは、子ども・若者にとっての肯定的な体験になり得ます。
目に見える行動だけで判断するのではなく、その背景にある言葉にならない困りごとに目を向け、一人ひとりの可能性や強みを見ながら関わることの大切さが示されました。
理論と現場の実践をつなぐ
今回の勉強会では、ACEsとPCEsに関する理論を学ぶとともに、現場の実践者による対話を通じて、その考え方を具体的な関わりの中から捉える機会となりました。
安心できる人とつながること、自分の話を真剣に聴いてくれる人がいること、失敗しても再び挑戦できる場所があること。そうした体験の積み重ねが、困難に直面したときに回復し、適応していく力である「レジリエンス」を育むことを、理論と実践の両面から考える時間となりました。
子どもの体験コンソーシアムでは、今後も勉強会や会員同士の交流などを通じて、子ども・若者の豊かな体験と、それを支える関係や環境について学び合う場をつくってまいります。
note記事:人は、人とのつながりの中で変化する。「体験が育むレジリエンス」を考えた 第3回勉強会
参考リンク:子どもの体験コンソーシアム
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