Tham Luong 小学校建設プロジェクト
Tham Luong 小学校は、ベトナム東北部のHa Giang省に位置する貧困地域の1つです。
山岳地帯に位置し周辺地域からのアクセスも悪く、国際機関等からの支援も限られています。総人口は9,000人、(中略)Cao Lan族等の少数民族から構成されており、その多くが農業に従事。現地の人民委員会および教育局によれば、地域の約75%を貧困世帯が占めています。
Tham Luong 小学校には、当時245人の小学生と56名の幼稚園児が在籍しており、ベトナム行政区の中では規模の大きい学校です。貧困世帯が多いことから中退率が高く、山岳地帯であることから通学路にも難所が存在するという悪条件も抱えていました。
教室は狭く、照明設備も十分でなく、建物も劣化しているといった安全性に欠ける状況も踏まえ、ミダス財団は2022年夏に新校舎建築に取り組み始めます。
Tham Luong 小学校を含む現地視察
2022年12月、代表の吉村英毅をはじめとしたミダス財団メンバーがTham Luong 分校の建設現場を訪れ、生徒たちにバッグや本などを寄贈しました。また、学校職員や現地当局職員と直接コミュニケーションを取り、現状や要望についてヒアリングも実施しました。
新校舎完成および竣工式実施
2023年春に新校舎が完成し、竣工式を執り行いました。
新校舎は雨風をしのげる頑丈な作りで十分な照明も完備、教室は8室(400㎡程度)、教員室は2室(50㎡程度)、遊び場兼読書エリアである屋根付き廊下も175㎡の広さがあります。トイレも2箇所設置され、個室トイレが計9つあります。生徒達は、このような快適な学校で学ぶことが出来るようになりました。
Tham Luong 小学校で学んだ子ども達ひとりひとりが望む進路を選択し、地域の貧困そのものが改善していくよう、継続的に衣服、教材、教育プログラムなど様々な支援を行う方針です。
Tham Luong 小学校が IAA賞 を受賞
IAA賞(International Architecture Awards)は、世界的に権威のある建築賞です。
シカゴ・アテニウム建築デザイン博物館がヨーロッパ建築芸術デザイン都市研究センターおよびメトロポリタン・アーツ・プレス社と共同で主催し、革新性やデザインの卓越性を基に、優れた建築やランドスケープデザインに贈られます。
日本では、2006年に国立新美術館を手掛けた黒川紀章氏も受賞しました。
2024年には、Tham Luong 小学校が他の著名な建築プロジェクトと共に受賞、環境に配慮されたデザインと地域社会への貢献が高く評価されました。
また、建築プロジェクトサイトArchDailyでも取り上げられ、革新的でありながら伝統的で地域に溶け込んだデザインと機能性が紹介されています。