ミダス財団では、2024年より子どもの福祉に資する国内での活動として特別養子縁組事業を開始しました。社会課題が数多溢れる中で、財団が最も深くコミットすることができ、社会に最も大きなインパクトを与え得ることは、という観点から検討した上での選択でした。特定非営利活動法人ミダス&ストークサポートと連携し、当事者(実親・子ども・養親)の各課題に対するよりよい支援の提供をすすめると共に、特別養子縁組制度そのものの普及啓発にも取り組んでいます。

普及啓発
民間あっせん機関、児童相談所、国・自治体、研究機関等と連携し、特別養子縁組を取り巻く現状や課題について継続的な情報収集・分析を行っています。
調査業務
日本国内における、支援を必要とする子どもや妊産婦を取り巻く現状や課題を把握し、広く社会に周知することを目的として、調査・統計・資料収集等の調査研究活動を実施しています。特別養子縁組事業では実親・養親・養子に関するテーマについて、支援ニーズなどの実態把握に取り組む予定です。
2025年調査
養親候補者に関する実態調査を実施しました。養親希望者が制度にアクセスするまでの課題や、不妊治療後の選択肢への認知、情報不足等の実情把握調査結果をもとに、養親不足の解消に向けた普及啓発や情報提供のあり方を検討し、制度への適切なアクセス促進に向けたアプローチを進めています。
なお、本調査の概要については、以下よりPDF資料をダウンロードいただけます。
特別養子縁組制度で親子になったご家族のインタビュー
特別養子縁組について検討されている方や関心をお持ちの方から、「実際に子どもを迎えた養親の声を知りたい」というご意見を多くいただいています。そうした声を受け、特別養子縁組に関する理解促進と普及啓発を目的として、民間あっせん機関ミダス&ストークサポートおよび養親の皆さまのご協力のもと、インタビュー動画を制作しました。
動画では、子どもを迎えるまでの思いや準備、実際の暮らしの様子などについて、養親の方々にご自身の経験をお話しいただいています。特別養子縁組をより身近に感じていただき、制度や家庭養育について考えるきっかけとなることを目指しています。
絵本『まってたんだよ ヒカル』制作
特別養子縁組家庭がもっと当たり前でポジティブなものとして受け入れられるようになってほしい。家庭で日常的にライフストーリー(生い立ち)を語り合える環境が当たり前になってほしい。そんな思いから、絵本作家つちだよしはる氏に絵と文をお願いし、ライフストーリーワークの第一人者である德永祥子氏を監修に迎え、絵本を制作し、幻冬舎から出版しました。
・関係機関や当事者への無償配付
支援の現場やイベントで広く活用していただくことを目的に、希望をくださった全国の民間あっせん機関、児童相談所、里親支援機関、また当事者や支援者の方々へ絵本の無償配布を行っています。
・教育機関への寄贈による社会啓発
社会全体に「特別養子縁組も家族の在り方の1つである」とポジティブに知ってもらうため、全国の教育機関へ寄贈を行っています。この絵本によって、自らの家族について日頃から話し合える家庭が増え、それがあたり前になった社会の実現を目指しています。
・ライフストーリーワークショップ
制作した絵本をきっかけに、家族のライフストーリーについて共に考えるワークショップを、全国の特別養子縁組のご家族を対象に実施しました。
人事・総務担当者向けハンドブックの公開・配布
労働者が特別養子縁組を事由に育児休業を取得することになった際に、勤務先の育休担当者が行うべき対応について、制度の基礎から実務上のポイントまでを網羅的にわかりやすくまとめたハンドブックを作成しました。
本ハンドブックは、企業の人事・労務担当者のほか、児童相談所等が実施する里親研修などでも活用されており、特別養子縁組に関わる支援現場や関係機関において広くご利用いただいています。
どなたでも無料でダウンロードいただけますので、研修・実務・普及啓発等にぜひご活用ください。また、冊子版も希望企業・団体に無償配布しております。ご希望の方はお問い合わせください。
児童福祉領域の人材育成支援のための発展的取り組み
特別養子縁組の支援は困難なケースに対応する必要があり、専門性が高く、難しい領域です。特別養子縁組制度を充実させるには、専門性の高い支援を維持し持続的に社会へ届ける基盤づくりが必要不可欠です。
一方で、このような領域では人材育成に十分な予算が確保されにくく、学びや経験の蓄積が個人の意欲や自己研鑽に委ねられている課題があります。そのため、体系的な学習機会や実践の場を整備し、継続的に人材を育成できる環境づくりを進めることで、支援の質と継続性の向上、さらには長期的な支援体制の強化につなげています。
特別養子縁組支援者勉強会
民間あっせん機関、妊産婦支援機関、児童相談所等、特別養子縁組に関わる支援職を対象に、特別養子縁組支援者の専門性向上と連携強化を目的に勉強会を開催しました。
ライフストーリーワーク国際資格取得セミナーへの共同開催(ミダスフェロー制度)
Therapeutic Life Story Work Japan主催のセラピューティックライフストーリーワーク国際資格取得研修において、受講費の一部助成およびプログラムの共催を行っています。
本フェロー制度を通じ、より多くの支援職の方々に研修受講の機会を提供することが目的としています。
対人支援職向けビジネスマナー研修
主に里親支援に従事する支援職を対象に、ビジネスマナーを主体的に考え、仲間と共有することを目的とした専門講師によるレクチャー・受講者同士でのグループワーク研修を実施しています。
社会福祉の支援スキルではないものの支援を行う上で必要とされているスキルの習得に寄与しています。
民間あっせん機関との連携
2024年4月より特定非営利活動法人ミダス&ストークサポートとパートナーシップを締結し、共に事業に取り組んでいます。
財団からは、組織運営支援の他、人材育成やWebマーケティング等についてミダスキャピタル投資先各企業と連携しながらサポートを行っています。
予期せぬ妊娠で困っている女性の相談支援や養子縁組あっせん事業を充実させ、パーマネンシー(永続的な養育環境)を必要とする子どもが1人も取り残されることのない社会を構築できるよう協働していきます。
ミダス財団はロジックモデルで整理したアウトカムをKPIとし、その達成進捗を管理・モニタリングしています。

アウトプット・アウトカム
-
特別養子縁組を通じて
家族となった子どもと養親78人
-
実親・養親候補への
アウトリーチ1,423人
-
連携パートナー
5組